翌日昨日よりも早い時間に
マスターの家へ着いた俺は
インターホンを押す
‐ ガチャ -
「あ、結城サン…」
ドアが開き出て来たのは奥サン
『こんにち…』
「どうぞ」
俺の挨拶を無視し
" どうぞ " と一言告げた奥サンは
それ以上何も言わず
家の中に入って行く
『……。』
え?
昨日と雰囲気が違う様な..
そんな違和感を覚えつつ
結城は
奥サンの後を追って
慌てて家の中へ入る
『……。』
「ごめんなさい、今日は主人が出かけてて…この家にはあたしと美沙だけなの」
リビングに来た結城は
話しながら
キッチンで珈琲を入れ始める
マスターの奥サンの後ろ姿を
無言で見つめる
「主人は暫く帰らないわ…あ、そうそう。結城サンは珈琲で良かった?」
『あ…はい、気を使わせてしまってすみません。ありがとうございます』
珈琲を入れたマスターの奥サンは
「熱いから気をつけてね」
リビングに来て
結城に優しく微笑み珈琲を手渡す


