『…はい』
「悪魔との契約ってのは、この呪文を唱え悪魔を呼び出し現れた悪魔に自分の願いを叶えて貰う代わりに契約を結ぶこと」
『……。』
「契約の結び方は簡単。契約する者の血と希望する願いに関係する物を媒介とし差し出す…差し出した物はその時は直ぐ返して貰えるんだけど契約を交わした日から丁度20年後の同じ時間。契約の時に約束した自分の命とソレを悪魔に差し出さなきゃいけない」
陸いわく
悪魔に命を差し出すと言う事は
魂を差し出すのと同じ事らしく
魂を差し出した人間は
地獄に引きずり込まれたあげく
舌を切り落とされ
両手足も切断され
食事も与えられず鬼達の玩具とされ
そして永久に働かされる
働かない奴は
使えない奴は
老若男女関係なく煉獄に突き落とされる
どれだけ辛くても
どれだけ後悔しても
悪魔と契約を結んだ人間は
永久に地獄から
抜け出す事は許されない
『そんな惨過ぎる… 両手足失ってどうやって働けって…』
「そこ!?…そんな惨い場所だから地獄って言うんじゃん?愛優チャンの母親が何の願いを悪魔と契約したのかまでは解らないけど… で、さっき言ってた乗り移られた男はどう考えても契約した女の父親にあたる男」
「なーんかややこしい話」
「ややこしいね… しーかーもー女と契約した悪魔は父親に乗り移ったってことは、悪魔=父親。愛優チャン奥底に眠っていた潜在意識はそんな映像だった」
『……。』
陸の話しを聞いてて俺が解った事は
陸の言う母親は亜由美で
悪魔に乗り移られた男は亜由美の父親の健司…
愛優は
亜由美が父親に襲われた時に出来た子で
萌チャンの身体の中で生かされ産まれた
そう言う事だよな?


