『…え?』
立ち上がろうとした陸は
ふらつきその場でしゃがみ込む
「ちょっ…陸大丈夫?」
玲奈はしゃがみ込む陸に駆け寄り
「大丈夫大丈夫。悪いけど俺の机に置いてある水取ってくれる?」
「あーね」
早足で
陸の机に置いてある水を取りに行く
『あの…陸サン…』
「ん?」
『悪魔ってどう言う…「もっと詳しく言えば悪魔に乗り移られた男」
『……。』
「俺ってガキの頃からその相手の心の奥底の潜在意識を霊視する能力があるみたいでさ。その…頭の中に入って来るんだよね」
『潜在意識…』
「ちなみに俺が部署に居る理由はこの能力を信じないバカ上司にキチガイ扱いされて移動を命じられたって訳♪」
『そのチャラチャラした格好だから移動になった訳じゃなかったんだ…』
「何か言った?」
『あ、いえ…「陸、水持って来た!」
「お、サンキュ♪」
奥の部屋へ
戻って来た玲奈は陸に水を渡す
「陸あたしにも詳しく話して」
「詳しく… 俺が見たのは愛優チャンの母親が悪魔を呼び出す映像と悪魔に乗り移られた男」
「悪魔を?ちょっとタンマ。呼び出しに成功した人間なんてあたし聞いた事ないんだけど」
悪魔?
呼び出し?
成功?
意味が解らない
結城は
陸と玲奈が話す内容に
イマイチついて行けず
『り、陸サン』
「何ー?」
『悪魔を呼び出すって…俺未だに理解出来なくて』
「悪魔を呼び出す…そのまんまの意味だけど?悪魔の呼び出し方は基本黒魔術を用いてやる方法が1番多い方法かな」
黒魔術…
黒魔術って佳代や亜由美がやってた?
『でもどうして悪魔を呼び出したりなんか…』
「理由までは解らねーよ。ただ、悪魔を呼び出す大半の人間は悪魔を契約する為に呼び出すって聞くけど」
『契約…』
「我が受ける契約の掟に基づき20年後に然るべき償いをする事を約束する。その証としてここに署名する。玲にさっき教えて貰った呪文…覚えてる?」


