「結城おじチャンこれ、忘れ物…」
『えっ?』
愛優に渡されたのは
大きなお弁当箱で…
「めっちゃ可愛いじゃーん、愛優チャンだよねー?俺は陸って言うんだけど今度2人で食事でも…「行きませんっ」
即答で
断られた陸を見て
ケラケラ笑う玲奈
「何で愛優チャン〜」
「だってあたしには結城おじチャンがいるから♪」
俺の顔を見てにっこりと笑う愛優
「あらあら娘に凄く愛されてんのね結城ー」
棒読みで話す玲奈は
突然愛優の頭上から
ボトルの水をかける
「ちょっ冷た…何するんですかおばサン!?服びしょびしょだし… あたし娘だけど血は繋がってないの!!結城おじチャンはあたしの未来の旦那様なんだから!!」
「…お、おばサン!?誰がおばサンだこのファザコン娘!」
「うるさいっ お・ば・サ・ン!!」
「あのねーあたしは結城と同い年。18にもなって親離れ出来ないなんてだっさー。まじだっさー、だっさー」
「……っ」
「ちょ…お2人サン喧嘩は無しよ〜」
玲奈の言葉を聞いて
目に涙をためる愛優
そんな中
俺はただ見守り苦笑するしかなくて
「ガキに本気になっちゃった… それより結城この子別に変わった所ないじゃん」
『え?』
「あたしが何よ、おばサン!!」
「おばサンって言うな!アンタこの水かけられて気分は、どーお?」
「最悪」
「そーじゃなくて…体に痛みや違和感は?」
「え、ないけど…ちょっとおばサンあたしに何かけたの!?」
「娘チャン〜それ聖水」
「…聖水?」
愛優は怒るのを辞めて
陸の言葉に耳を傾ける
「愛優チャンって小さい頃、悪魔契約の呪文を唱えてたらしいじゃん?」
「ごめんなさい… 小さい頃の記憶は全く覚えてなくて…」
「悪魔が乗り移ってんのかと思ってたけど違ったわ。本来悪魔が乗り移ってたりしたら聖水かけたら体が焼けただれて大抵の悪魔は本性を現す。ごめんね、何の前触れもなく突然水ぶっかけて」
「あたし悪魔じゃない!!」
『……。』
俺は
悪魔に関してやたら詳しい
陸と玲奈に内心驚きながら
ボーッと3人のやり取りを見ていた


