「ねえ結城おじチャンどうしてあのお姉サンこんなに怒ってるの?あたし悪い子?」
純真無垢なこの子は
きょとんと首を傾げ
理解出来ていない様子
『そんな事ないよ。何も悪い事してない』
ゆっくり立ち上がった俺は
ナースステーションに行き
『手続き次第早急に出ていきます』
看護婦に軽く頭を下げ
「結城おじチャン?」
女の子の手を引き病室に戻る事に…
色々な手続きを
早急に済ませた
その最中
先程大声を上げた看護婦は
何度も何度も深く頭を下げ
俺と女の子に謝り続ける
そんな相手を見て俺は
" 気にしてないですから "
と、一言相手に伝え微笑んだ
俺は萌チャンに出会って
あり得ない物を見たり
色々な経験をしてるから
今更驚かないし怯えない
経験のない看護士達は違う
女の子に対し完全に怯え
突然怒鳴って来た
この看護士以外は
化け物を見る様な表情で
女の子の事を避けている
「この子の名前は…お決まりですか?」
『名前…そうだな。名前がいるよな…』
こう言う事に対して免疫のない
看護婦が怯えるのも無理はない
だから俺は
看護婦に対してそこまで怒れなかった
「結城おじチャンあたしのお名前?」
この子言葉理解してるんだな
そんな事を
考えながら
嬉しそうに飛び跳ねる女の子に笑いかける
『そっ昨日ずっと考えてたんだよー』
「なぁになぁに?」
『… 愛優 (あゆ)』
「あ、ゆ…うんっ!あたしあゆちゃん!! あゆちゃんねっ!」
名前を聞いた女の子は
目を輝かせている様子
「結城愛優(ゆうきあゆ)チャン…とても良い名前ですね」
名前を聞いてにっこり笑う看護士
ちなみに名前の由来は
単純に萌チャンがなりたがってたから
そこから出来た 【 あゆブログ 】
萌チャンと亜由美チャンある意味2人の原点。
『愛優…帰ろっか』
「どこに帰るの?」
『俺達の家』
「…うわぁ♪」
俺ははしゃぐ愛優の手を引き
病院を後にした


