病室を出た結城が向かったのは…



病院内の売店



『……。』



子供用品は何がいるか
俺が仕事の間の子供の世話はどうするか



『それ以前に名前考えなきな…』



これからのことを考えながら
缶コーヒーを手にした結城は



そのままレジへ



「ねえ、知ってる??8階入院中の女の子の話…」



そんな中



俺の直ぐ後ろに並んだ
2人組の女の会話が聞こえて来て



「心臓止まってるのに生きてるんでしょ… あり得ないーまるでゾンビよね」



「産まれて来る子供もゾンビだったりし…」



レジが終わった俺は



面白おかしく話す女を
何も言わずに睨みつけ



「あ、ごめんなさ…」



謝る女を無視しそのまま売店を後にした



『女って本当、噂好きだよな…』



ブツブツ独り言を言いながら



病室へ戻る為


ナースステーションの
前を通り過ぎた俺は…



「あ、結城サン!!」



慌ただしく走り回っている
看護士に引き止められて…



『はい』



その場で立ち止まる



「あ、赤ちゃんが…」



『え?』



赤ちゃんって
萌チャンのお腹の?



「今先生を呼んでるんですが間に合うか…」



一体何が?



俺は


看護婦の話しを
ちゃんと聞かず



「あ、結城サ…」



慌てて病室に戻った