今現在の萌チャンの状態を聞き



『ありがとうございました』



挨拶し医師と別れた結城は
萌チャンの病室へ戻る。



「結城!!」



戻るのを待っていた達也は
真っ青な顔をして慌てて俺に駆け寄る



『悪い、待たせ…「この子、呼吸…息して無いのに生きてるってどーゆう事!?」



『…みたいだな』



「みたいって結城お兄チャン…」



俺は


今主治医に聞いた萌チャンの状態を
包み隠さず達也と加奈チャンに話す



「… 萌チャンだっけ?この子全く息して無いのに赤ちゃんは元気ってそんな話… あり得ない」



『……。』



「3ヶ月前って事は…結城お兄チャンの妹サンが亡くなった頃… 」



「そうなるわな。結城お前…」



『いやいや…んな訳ねーって』



「じゃあ…誰の赤ちゃん…?」



俺は加奈チャンの問いかけに黙り込む



「…亜由美の子供だったりして」



突然ボソッと呟く達也



「… お兄チャン?」



「だって結城の子供じゃなかったらそれしか考えられねーと言うか… それか萌チャンが結城の知らない所で男と関係があったか…」



『……。』



達也の話しを聞いてた結城は



ふと亜由美の父親の
最後の姿を思い出す



鎌の欠片を刺されもがき苦しむ中
亜由美の父親は笑った。



あの笑みはどういう意味だったのか



未だに解らない



数日後無事退院した俺は



仕事を復帰し来月から俺は誰もが嫌がる
特殊事件専門部署に配属される事になった



この部署は
西川サンが担当していた事件と違い



使い物にならないと
された人達が集まる



いわゆる人材のお払い箱的な部署



ちなみに仕事内容は様々で



主にこの部署が
担当をするのは



面倒くさいと判断した事件



警察で扱う程じゃないと
判断された事件がメイン



そして各部署の清掃



『この不景気の中クビにせず簡単に休職をくれたのはこう言う理由だったのか…』



退院してから結城は仕事の合間
毎日萌チャンのお見舞いに通い



彼女の手を握り沢山話しかけた



心臓の止まった萌チャンの意識は戻る事なく



気が付いたら
退院してから



もう2週間が過ぎていた