「結城お兄チャンがうちに来た少し前の話しなんだけど… 友達が遊びに来た時に面白半分で " あゆブログ " を検索した事があって」



『……。』



「あ、あたしは面白半分でそんな事しちゃ駄目だって止めたんだけど美希と明菜があたしの携帯で検索し始めたの』



「加奈お前…」



加奈の話しを聞いて
怒り口調になる達也



『ちょっと待てよ、美希って…』



「数日前に踏み切りで自殺した子」



『……。』



「ま、まさかこんな事になるなんて想像もしてなかった!! 美希が…美希が…」



美希だけじゃない千紘だって俺の目の前で…



その場に座り込み涙を流す加奈を見て
結城は下を向き唇を噛みしめる。



明菜って子は?
その子の安否も気になる…



「加奈…」



かける言葉が見つからずにただ
涙を流す加奈の頭を撫でる達也



「お兄チャンあたしはどうしたらいいの?美希も明菜も呪いのせいで…」



「… 明菜チャンも?」



「うん、川で変死死体で発見されたって… お兄チャンの部屋の窓ガラスが割れた時、あたし見たの… 」



『…加奈チャン?』



「な、何を見た?」



「…血だらけになった明菜」



『…え?』



亜由美や明日香じゃなく
加奈チャンの友達の明菜チャン?



「明菜は特別霊感のある女の子なんだ。だからあゆブログの呪いなんてただの噂だって聞いた時は安心してたのに… 明菜だけど明菜じゃないような女の子を見た瞬間あたしは意識が飛んで、その時にアレを見せられたの。今でもはっきり覚えてる」



『加奈チャンアレって…』



「真っ赤になった血だらけの上靴」



「上靴?」



「う、上靴はあの子にとって大切な物なの!!明菜はそれを自分が死んでも死にきれず復讐心から探してた。ねえ結城お兄チャン…上靴、知らない?」



『上靴…』



加奈チャンの言う上靴って…


亜由美チャンがお母さんに貰ったものであり
萌チャンがゴミ箱に捨てた上靴の事だよね?



わからないあの上靴に一体何が…



「アレを絶対明菜に渡しちゃ駄目!明菜は復讐しようとしてるの。美希と一緒に…」



「復讐?」



『美希チャンと!?』



結城と達也に対し無言で頷く加奈



「…明菜が美希の事、殺したんだよ」