『……。』



意識がボーッとする中



俺は血だらけの
床に座ったまま



辺りを見回す



" アユミ "



突然


消えた亜由美の名前を
呼び続けていた父親は



結城の事を鋭い目つきで睨む



" ドコニヤッタ? "



『知るか…』



" オマエ ナニヲシタ "



体を震わせる亜由美チャンの父親



" オレノ アユミニ "



そんな姿を見た俺は
自分の死を確信する



『亜由美、亜由美って…アンタ相当イカれてるよ…』



思うように動かせない体



こんな状態で
こんな化け物退治出来ないし



" ダセ "



『……。』



" アユミヲ "



這うように
俺の目の前まで来た亜由美チャンの父親は



裂け爛れた大きな口を開けて
結城の肩を思いっきり噛む。



『…っあぁああ!!』



" ハヤクダセ コンドハ メヲ クリヌク "



長い舌で
俺の頬を舐める亜由美チャンの父親



『やれるモンなら…やってみ、ろよ…』



亜由美チャンの父親は
結城に尖った長い爪を見せると



ニタニタと笑いながら俺の太ももに刺す



『っ…あぁああぁ!!』



激痛に耐えきれず叫び声をあげる
結城の目に自分の爪を刺そうとした



その時



" ヴッ… "



亜由美チャンの父親は突然
苦しそうな表情を浮かべた