グサッ
室内に響き渡るガラスの破片が刺さる鈍い音
「な、なんで…」
強く目を閉じていた亜由美チャンは
音に反応しゆっくりと目を開けて…
目の前に居る
結城の後ろ姿を見て言葉を失う
『…大丈夫?』
「あ、あたしは… 」
ガラスの破片が貫通した
俺の左手の手の平からは
ポタポタと血が流れ
" ジャマヲスルナアアアァァアァア!!"
狂った様に
突然叫び始めた亜由美チャンの父親は
片手で結城の首を掴み首を締め始める
『ゔゔっ…』
" オマエカラコロス "
" オマエカラシネ "
人間の
力以上の力で締められ続け
俺の意識は朦朧とし始める
そんな中
「… 辞めてお父サン」
亜由美が首を締める父親の手首を掴んだ
" ア ユ ミ "
亜由美の父親は突然腕を掴まれ
首を締める俺の首から手を離す
『ゴホッゴホッ…』
" アユミ オレノ アユミ "
亜由美はニタニタ笑う
父親に対し力無く笑い、突然消えた
『あ、亜由美チャン…!?』
静まり返る室内は…
結城と亜由美チャンの父親2人になった。


