ドンッ
ドンドン!!
ドンッ!
亜由美チャンが
クローゼットに入る姿を確認した結城は
『よし、亜由美チャン呼んだら直ぐ出て来て』
ドアから手を離し靴を履いたまま
埃まみれのベッドの上に立つ。
『…来い』
ギギギギギギギギギギギギギギギギ…
ドアを開けた父親は
棚をどかせ
部屋の中へ
" アユミハドコダ? "
『……。』
俺は無言で
ポケットに手を入れて
ゆっくり後ろに下がる
" アユミハ!! "
『こっち来いよ。亜由美チャン探してるんだろ?』
" オマエカ カエセ!! "
亜由美チャンの父親は
俺が居るベッドの上に乗ろうと
四つん這いでゆっくり前進する
『……。』
後退し
ベッドから降りた俺の代わりに
父親がベッドの上に乗った瞬間
『異常なんだよアンタは!!』
塩とセットでポケットに入れていた
予め作っておいた聖水を
亜由美の父親めがけてベッドにぶちまけた。


