「どうして…」



カタカタ震える亜由美は


俺の後ろに隠れたまま
小さな声で問いかける



『……。』



「殺したかったんだろあたしを、なのに何故助け…」



" ダレダ "



" オレノアユミニナニヲスル "



俺に対して物凄い形相で睨みつける父親



『刑事』



刑事と言う言葉を聞き



一瞬顔が引きつり



" オレハナニモシテナイ "



" オレハナニモシテナイ "



慌て始める亜由美の父親



『屋敷を燃やし亜由美チャン、そして奥サンを殺したって事はもうバレてるんだよ。本当は生きてる時に西川サンがアンタを捕まえたかったらしいけどさ』



" アユミヲカエセ デナキャオマエ コロス "



先程


慌てていた様子が嘘の様に
開き直った亜由美の父親は



俺に向かって手を振り下ろす



『…なんて力 』



間一髪で避けた俺は



腕を振り下ろされた床が
割れているのを見て苦笑



『亜由美チャン!!』



「え…」



俺は咄嗟に亜由美の腕を掴み
父親を残したまま部屋から飛び出した