『明日香チ…』



明日香チャンが
助けを求めているそれを知った結城は



軽く深呼吸し
部屋を出ようと懐中電灯を持ち替え



1歩また1歩と歩きだす



そして



部屋のドアを開けた瞬間



『うっ…』



異常な異臭に俺は
慌てて鼻を抑える



この臭い嗅いだ事がある



確か例の屋敷で



『亜由美の生首を見つけた時と同じ…』



汝ヨ来 タレ



突然響き渡る低い女の声



『…呪文?』



穏ヤカニ 目ニ見エル様ニ



この声は亜由美?



何を企んでるのか解らない



汝ヨ 来タレ



『早く辞めさせないと…』



俺は鼻を抑えたまま
萌チャンの部屋に急いだ。