「萌」
寝室から出て来た父親は
あたしを強く抱き締める。
「萌、本当にごめんな。怖い思いをさせたな…」
優しくあたしの頭を撫でる父親
『……。』
「今日だけじゃない。父サンが弱いばかりに萌は今までずっと辛い思いをして来たからな…」
『ひっく…お父サン…』
涙を拭いたあたしは真っ直ぐに顔を上げ
ゆっくり話し始める。
『今日も、いつもと同じ様お母サンに…掃除、洗濯、ご飯…あたしは家事を命じられて…寝室を掃除をしようとベッドの下の引き出しを開けたら明日香が…』
「「……。」」
『あたしは引き出しの中から明日香の体を出す事に必死になってた。そんな時…お母サンに見つかって…あたしまで…殺さるかと思…「もういい、辛いだろ?…もう話さなくていいから。江波サン、最近奥サンの態度で、不信… 気になる事とかありました?」
「気になる… 明日香が居なくなってから、おかしかったですね…」


