『……。』
見慣れた商店街を
歩くアタシは
電気屋の前で足を止め
テレビで流れているニュースを見て
" 先日、○○県○○市にある1件のお屋敷を建て壊しに入った12名の男性が鎌の様な鋭い刃物で体をパラパラに切断され発見されました "
ニヤリと笑う
『あは…あはは…』
アンタ誰だって?
アタシだよアタシ
亜由美。
亜優菜を庇って焼け死んだ?
まさか。
綺麗な体にこれ以上
傷跡が残ったら大変
亜優奈の体が全身大火傷になったら
結城へ捧げた最後の宴が
華やかにならないからね
確かにアタシの首は焼けてなくなった..
けどね
この体がある限り
アタシは死なない
『亜優奈… アタシの物になってくれて本当に感謝してる、最高』
アタシは
窓ガラスに写っている自分に話しかける
" お願い…ゆ、結城には手を出さないで!"
『結城?あんな男… アタシからすれば正直ど-でもいいんだけど』
" 約束は!?結城には手出さないって… "
『解ったよ…解った、殺さなきゃいいんでしょ?』
" ……。"
それよりアタシはやる事がある
このカラダを手に入れて
男を殺す殺さない
それ以上に大切な事がね


