‐ ドロッ ‐
錆びた
缶の箱の中から出て来たのは..
ドロドロした水に包まれた
腐りかけた亜由美の生首…
「…うっ」
ドロドロした水の中には
樟脳が混ざっている様で
何とも言えない
鼻につく強い匂いが部屋中充満する。
「吐きそ…」
吐きそうになる
口を手で押さえ
俺が見た亜由美の首は
目玉は飛び出し
髪の毛
そして
頬は溶けていて
骨が見えている
俺の中で何となく
想像はしてたけど
腐りかけた生首が
此処まで酷いとは
完全に美化してた
「まじかよ…」
俺はてっきり
亜由美の生首が綺麗な形のまま
残ってる物だと思っていたから
正直驚きを隠せない
「……。」
それにしても
どうして亜由美は
俺の事を追って来ないんだろ?
「とにかく、早く生首を燃やして萌チャンの所に戻らないと…」
俺はポケットから
ライターと
ライターオイルを取り出し
生首にオイルをかけ火をつけたその瞬間
" ニヤリ "
「……!?」
口元を吊り上げ
亜由美の生首が笑った気がした


