「やっぱり…幾ら亜由美でも、塩を撒いた所には入って来れないか…萌チャン?」
『え…な、何!?』
「どうしたの?ボーッとして…」
『う、ううん。何でもない!』
このままじゃ結城に
心配させる事になる
そう思ったあたしは
慌てて結城に対し
作り笑顔を見せる
「…俺が絶対守るから」
『結城…』
「これ、萌チャンが持っといて」
あたしが結城に
手渡されたのは
ガスバーナーと
ジッポ用ライター用のオイル
『え…』
「萌チャンは此処に隠れといて。暫くは大丈夫だと思うけど…もし、亜由美が入って来たら亜由美にオイルをかけて火を付けるんだ」
『ゆ、結城はどうす…』
「俺は亜由美の部屋に行く。亜由美の首はあそこにある気がするんだ」
数センチだけドアを開け
足音がピタリと止んだ廊下を確認する結城
『って、1人で行く気!?』
「亜由美の狙いは萌チャンなんだから、連れて行く訳には行かないよ。俺の言う通り此処から出るなよ!?」
『…うん』
「直ぐ戻って来るから」
にっこり微笑んだ結城は
あたしの頭を優しく撫で
亜由美の気配がない事を確認し
部屋から出て行った


