" ちょっと聞いてる!? "
家の前に居た俺は
誰か来る!?
家に近付いて来る
話し声に気付いて
萌チャン家のベランダに
慌てて身を潜め隠れる。
「……。」
家に帰って来たのは
萌チャンの育ての母親
そして
赤ちゃんを抱いた
死んだはずの父親。
でも何だろう?
雰囲気が違う?
何故か解らないけど
2人の見た目に違和感を感じる
" 幾ら優樹菜の子だからって… 人殺しの姉の子よ!あたし達が引き取る事ないでしょ!? "
" 仕方ないだろ。俺等が引き取らなきゃ誰がこの子の面倒を見るって言うんだ… 見捨てる訳にもいかないだろ? "
優樹菜の子?
引き取る?
あの赤ちゃんもしかして..
萌チャン!?
" だからって、嫌よ嫌!施設に入れれば良いじゃない。あたしは絶対… "
" 今更そんな事言えると思ってんのか?この子の面倒を見る約束で… 君の両親にこの家を買う金、全額出して貰ったんだから "
" そうだけど… "
" 家を買って貰った後でやっぱり面倒見ませんなんて言える訳がないだろ… 嫌なら家も買って貰わず最初から断れば良かったんだ "


