「ま、とにかく俺は1部屋ずつ見に行って来るから。萌チ…」
『あたしも行く』
「え…」
『もう血は止まったみたいだし。平気だよ平気!…それに、気になる部屋があるんだよね』
結城は手に取った写真を
置いてあった場所に戻し
「気になる部屋?」
あたしの言葉に首を傾げる
『さっきも話したけど健司は優樹菜に上の階の引っ越し後の片付けをさせなかった… よく考えたらそれって、何か見られたらマズい物があるのかも…』
‐ バタンッ!‐
「な…何だ!?」
‐ バタン!‐
‐ バタン!‐
突然
あたしの言葉を
遮るかのように
順番に倒れて行く写真立て
‐ バタン!‐
『ゆ、結城…』
ゴンベサンノ
アカチャンガ カゼヒイタ
ゴンベサンノ
アカチャンガ カゼヒイタ
この声..
亜由美!?
「萌チャン、とりあえずリビングから出よう」
亜由美の低い声が
だんだん
だんだん
大きくなる


