『え…?』
あたしは
ゆっくりと立ち上がり
結城の元へ駆け寄ると
無言で写真を見つめる
優樹菜は
この写真を飾る
健司の姿を見て
何も思わなかったのか?
写真立ては1個じゃない
幾つか飾ってある
写真のほとんどが
優しい笑顔で微笑む
亜由美の写真ばかり
『……。』
まぁどうせ健司が
適当な嘘をついて
置いたんだろうけど
「亜由美って、本当は綺麗な女の子だったんだな…」
亜由美は
結城の言う通り本当に綺麗な女
でもちょっと複雑。
結城の口から
あたし以外の
他の女を
誉める言葉を
聞くなんてさ
『…確かに』
イライラする半面
結城の言葉に
否定出来ない
だって
お世辞大嫌いな
女のあたしでも
口に出してしまう程
滅茶苦茶悔しいけど
本当に綺麗な人だし


