『でも、どうやってあんな…』
「髪を燃やせば念は消える…そんな内容の本を見つけてさ一応持って来てたんだ」
持って来た
そう言いつつ結城が
あたしに見せた物は
『ガスバーナー?』
「とりあえず、髪を燃やすだけでいいとは思うんだけど…万が一、また起き上がって来たら怖いと思って一応全部燃やしといた」
『そっか、結城が助けてくれたんだ…い、痛っ…』
もし結城が来なかったら
あたしの手足は?
『……。』
自分の血だらけの
手足を見ていると
考えるだけで寒気がする..
「とりあえず止血はしといたけど、あまり動かない方が…」
『…っ、早く行こ…』
「萌チャン無理は良くない!」
結城の言葉を無視して
立ち上がったあたしは
激痛に耐え
ふらつく足で
ゆっくり歩く
『…そ、そんな事…言ってる場合じゃねえだろ…早く、亜由美の所に…い、痛…』
「…ほら。確かさっき見た時リビングにソファーがあったから少しだけ座らせてもらおう」
『い…い、たっ…って、ち、ちょっと結城!』
軽々あたしの体を
持ち上げた結城は
そのまま
母親の部屋を出てリビングに向かった


