「…今夜通夜だって」
『行きたくない』
健太の通夜に行く?
絶対行かない
行きたくない
「……。」
あたし自身
別れを認めたくない
そんな自分がいる..
「あ、もしかして結城サン?」
しゃがみ込む
結城の真後ろに立って居たのは
結城が入院していた時に
世話になっていた看護士
「結城サンと、えっと…よくお見舞に来てくれてた…」
『…江波萌です』
「萌チャンね、会えて良かった。あなたに…3日前、だったかな?健太君から手紙を預かってたの」
手紙?
健太からあたしに?
嘘だろ?
『手紙!?』
下を向く
あたしは
顔を上げて直ぐ看護士へ聞き返す
「ええ、萌チャンに渡すようにって…」
看護婦は自分のポケットから
小さな可愛い
封筒を出して
あたしに手渡す
『……。』
「ごめんね。警察の人が何かの証拠になるかもしれないからってコピーして先に読んじゃったけど…」


