車で約4時間
渋滞にかかる事なく
地元に戻って来たあたし達は
健太が居る
病室へ急ぐ
『健…』
「……。」
沢山の人だかり
そして
健太の病室のドアには
ロープがかってあって
その
ロープに貼られた紙には
" 立ち入り禁止 " の文字
『間に合、わ…な、かった…』
嘘だろ
嘘だろ
嘘だろ
「……。」
あたしの胸はえぐられ
大きな穴が開いた様な
そんな感覚に陥る
『…約束したのに』
痛い
苦しい
胸が押しつぶされる
明日香や香織が
死んだ時と違う
この気持ち
この感情は
一体何?
『何で…何で健太なんだよ…嘘だろ…嫌だよ…嫌だ…』
あたしは人だかりをすり抜け
「あ、君!ここは立ち入り禁止だ…」
警察に止められるのを無視して
" 立ち入り禁止 " と
紙が貼られているロープをくぐり
室内に入る
『健太、健太…』
室内に入り
2・3歩
歩いたあたしの両足は
壁に付着した血を見て
力が抜けその場に座り込む


