「……。」
あたしと結城の話しを
全て聞き終えた由佳は
突然何も言わず立ち上がり
洋服棚の引き出しを開けると
服と服の
底の方に入れた
何かを取り立し
あたしに手渡す
『これは…?』
「亜由美が大切に使っていたノートだ」
亜由美の?
由佳に手渡された
茶色の無地のノートは
表紙はボロボロだけど中は新しい方で
『……。』
このノートの中に
一体なにが書かれてるんだろう
「桜井サン…いいんですか?」
「ああ、持って行け…その代わり必要がなくなったら必ず私の元に返してくれ」
「それは勿論…」
「そう言えばアンタ結城って言ったっけ?」
「そうですけど…」
「悪いがこの子と2人にしてくれないか?」
「あ、はい。解りました…外します」
え?なんで2人?
あたしは
由佳に言われて頭を下げ
部屋から出て行く結城を
ただボーッと見ていた


