由佳に頭を下げて
何分経っただろう
沈黙が続く中
「頭を上げな」
大きな溜め息を吐きながら
先に口を開いたのは由佳で
「聞こえないのかい?早く頭を上げろって言ってるんだよ!」
『……。』
「はぁ…アンタの引きの悪いその性格には負けるよ」
『え、じゃあ…』
あたしは
由佳の言葉に目を輝かせ
下げた頭を慌てて上げる
「…アンタ等は、あの事件の事が聞きたいんだろう?その代わりどうして知りたいのか、私が納得出来る説明を聞かせてもらうよ」
『納得出来る説明…』
「そこまで知りたがるって事は、なにか理由があるハズだろう?それがないのなら教える価値もないね」
『……。』
説明って何から話せばいい?
あたしは軽く
深呼吸した後
『結城…』
「うん」
結城と
顔を見合わせて
お互い頷き合い
包み隠す事なく
素直に
結城の事
そして
あたしの身の回りで
起こった出来事全て
由佳に話した


