結城の真っ直ぐな視線に対し
由佳は慌てて視線を反らす。
「桜井サン…何か知ってますね?」
「もし私が知っていたとしても…なんで他人のアンタ達に言わなきゃいけないんだい!?」
「そ、それは…」
そりゃあそうだよな
突然来た他人のあたし達に
姉と姉の娘の事を
教えろだなんて..
" はい解りましたって "
簡単に
教えてくれると
思わねえけどさ
でも
些細な事でもいい
なにか聞かねえと
完全に無駄足になる
『……。』
しかも
結城は結城で
怒鳴り口調の由佳に対して
黙り込んでるし…
「命が欲しいならこれ以上変な検索をせず大人しく帰…」
『由佳サン…だっけ?悪いけど何も聞かないでこのまま大人しく帰るなんて出来ない』
無言であたしを
睨みつける由佳
いつものあたしなら
こんなイラつく糞ばばあ
怒鳴ってるかぶん殴ってる
けど
『…お願いします。些細な事でもいい、何か知ってる事があるなら教えて下さい』
結城の事を思うと
あたしは由佳に対し
深く頭を下げていた


