『ご馳走様…』
お粥を完食したあたしは
洗い物をする
結城の所まで
使った食器を持って行く
「置いとけばいいのに…ありがとう。どうだった?」
『何が?』
「お粥」
『……。』
せっかく作ってくれたのに
ごま油は香りだけ
ネギも玉ねぎも..
味が全くなかった
なんて
言える訳がない
「 …?」
『お…美味しかった、美味しかった!』
「なら良かった」
にっこり微笑む結城
『ご馳走になった上、少し寝て熱も下がったし、じゃあ…あたしそろそろ帰…』
「なら送る。…けど、その前に萌チャンが知ってる事全部俺に話してくれないか?」
『あたしが知ってる事…』
食器を洗う手を止めた結城は..
真剣な表情で
あたしを見る
「西川サンが追いかけてた事件… 絶対俺が解決してみせる」
『結城…』
「今後一切、萌チャンの事は絶対巻き込まないって約束する…だから頼む、話しだけでも聞かせてくれないか?」


