男は
女の子の生首を
片手に持ち替え
「殺す…」
鎌を持ちかまえる
「誰であろうと亜由美は絶対渡さない」
『……。』
" 家から出よう"
そう思った瞬間
男の視線は
あたしを捕らえ意味深に笑う
「見つけた」
『……!』
一歩
また一歩と
男は
後ずさりするあたしに
ゆっくり近付いて来る
『……。』
夢だこれは悪い夢早く覚めろ!
夢は夢でも
あたし自身意識は
ハッキリしていて..
キャハハ
キャハハハハ…
死んでるはずの
父親の手に抱かれた
生首はあたしを見て
よだれを垂らし大笑いしている
" 生首が笑ってる "
男には見えてないのか
気付いて居ないらしく
「怖いのか…そうか俺が怖いのか…」
大笑いする生首に怯える
あたしを見てする男は
『…い、やだ』
あたしに向かって
ゲラゲラ笑いながら鎌を振り下ろした。


