「突然帰って来て祐司サン…あたしに帰ったって…声もかけずトイレに入ったの…」
『「……。」』
「最初はね…トイレを我慢してたのかなって…思った。けど…トイレが勝手に閉まって…中から祐司サンが…開けてくれって…」
『「……。」』
「何度も開けようとしたけど…あたし力じゃ…びくともしなくて…そしたら祐司サン、トイレの中で…誰かに電話し始めて…」
「電話?」
突然立ち上がった結城は
顔をうずめている美雪サンの肩を掴み
肩を上下に動かす
「電話って…美雪サン、祐司サンは何時頃誰に電話してたんですか!?」
「解らない…こんな事は辞めろ出て来い、って…新君教えて…祐司サンは何の事件に関わっていたの?あたしは祐司サンの妻…知る権利があるはずよ…ねぇ新君、教えて…」
結城の胸を叩き
泣き崩れる美雪
結城はそれ以上口を開く事なく
" 仕事に戻ります "
と..一言だけ美雪に伝えて
「行こう」
『え…』
「家まで送るから」
結城は
あたしを連れて西川の家を出た


