西川の遺体を見て
あたしの頭の中は真っ白になった..
あたしもこんな風に女に殺されるのか?
そう思うだけで
背筋が凍りつく
『冗談じゃない…』
そんな中
美雪の
悲鳴に近い泣き声だけが
あたしの耳に響いていた
どうして
西川が死ななきゃいけなかったのか
女が
なにをしたいのかも
あたしには解らない
「江波サン聞こえてる!?」
『あ、はい…』
突然呼ばれたかと思うと
あたしの顔を覗き込むおっさん
『何だよおっさん』
何も言わず
ゴホンとわざとらしく
咳払いをするおっさん
やべ..
考え事してる時に
覗き込まれてつい
結城が呼んだ警察官の事
おっさんって呼んじゃったよ
『いや、すみませ…』
「で、江波サン。君がどうしてここに?」
『え…』
なんでここに居るのかって
なんて言えばいい?
あたしは
警察官の質問に
思わず口ごもる
「すみません。俺が一緒に連れて来たんです」
結城の助言に
助けられたあたしはホッと胸をなで下ろす


