「萌チャン?」
結城は
電話を耳に当てたまま
茫然としてるあたしの顔を
恐る恐る覗き込む
『……。』
アンタの体はあたしの物
あたしはあの女に
喰われちまうの?
「萌チャンって!!」
『え…』
大声で結城に呼ばれ
我に返ったあたしは
『西川サンを探さなくちゃ…』
「え?」
『…もう、さっきからお前は解んねえ奴だな!これは呪いだよ呪い!…西川サンが危ないんだよ!案内して、西川サンの家はどこ?』
あたしの豹変ぶりに
目を丸くする結城は
「に、西川サンの家はここから…30分位の…」
『あたしだけじゃ解らない!結城、アンタも着いて来い』
「えっ、え…?」
何が何だか解ってない
結城の手を引いて
部屋を飛び出した


