「寒…」
家に入るなり震え口々に言う警察官。
「私は西川、それにしても広い家だな…結城は?」
『キッチンです…』
「ふむ」
西川を先頭に、警察官達を
キッチンへ案内するあたし..
「結城」
「あ、西川サン…」
座り込んで居た結城は
西川に呼ばれて慌てて
立ち上がり頭を下げる。
「西川サンこれ…」
視線を遺体へ落とす結城。
「な…」
驚くのも当たり前。
父親と妹の生首を目の当たりにした
西川を始め黙り込んだ警察官達は、それ以上何も言わず即作業に取り掛かる。
現場の
写真を撮ったり。
指紋を調べたり。
「もう大丈夫だから…」
そう言いつつ結城が
あたしの頭を撫でる。
『……。』
何が大丈夫だよ?
全然大丈夫じゃねえよ。
つ-か、結城刑事隣に居なくていいからお前も西川のこと手伝えや。
内心そんな事を考えながら
あたしは離れてキッチンを見ていた。


