カチカチカチカチカチ…



消えろ。
消えろ。
消えろ。



早く。



あたしの携帯から
お願いだから早く消えて..



ぽんぽん



『ひやぁあああ!』



あたしは突然肩を叩かれて
声にならない悲鳴を上げて



- ガシャン -



思わず地面に携帯を落とす。



「うわあぁ!」



あたしの悲鳴に驚いて
同じく悲鳴を上げる男。



『結城サ、ン…』



「あ~びっくりした…江波萌…サンでしたっけ? 驚かさないで下さいよ!」



驚かすな?
それはこっちの台詞



心臓止まると思ったし。



「あ、携帯落ちまし…」



『触んな…じゃなくて、触らない方がいいで…』



「はい、貴方は本当によく携帯落とされる方ですね」



そう言って
拾った携帯片手ににっこり笑う結城。