『痛…』



父親はあたしの手を掴みテーブルに座らせる。



「今日はシチューだ。今入れて来るから立ち上がるんじゃないぞ」



そう言って


鼻歌を歌いながら父親はキッチンへ戻り
出来上がったシチューを盛り付け始める。



そんな中



あたしは立ち上がると
父親に気付かれない様



ゆっくり



ゆっくり



鍋の中身を見ようと父親の背後に近付く。



だって気になるじゃん?



冷房まで効かせて何を作ってるのか。



『……。』









ドクン、ドクン…



      ドクン、ドクン…