なんとも言えない
息詰まる胸の痛みが
俺の胸を締め付ける。
『…章司 』
「どうすんねん?」
『… 場所教えてくれ』
「もちろん」
俺はスーツに着替え
優衣に渡す指輪をポケットに入れ
章司と2人で葬儀場に向かった。
「ちゃんと優衣ちゃんのこと安心させたれや!」
『章司…ありがとな』
葬儀場に入ると言う事は
優衣が死んだ事を認め、受け入れるという事
正直引き返したい
でも引き返せない
自然と足が震える…
「親族の方ですか?」
会館の案内員に聞かれて
俺は無言で横に首を振る
「こちらです」
案内員に案内され
式場に着いた俺は
優衣の両親に頭を下げ
優衣の棺の元へ行く。
挨拶された
優衣の両親は無言で俺を見ている。
『優衣…』
俺はポケットから指輪の箱を取り出し
指輪を優衣の左手薬指にはめた。
『クリスマスには早いけど… 』
指輪は四葉の形に小さな
ダイヤが入っている物で
" True Love.. "
四葉には真実の愛と言う花言葉がある。
優衣の通夜と葬儀
悲しいバズなのに涙は全く出なかった。


