「…嬉しい」



『は?』



俺は予想外の返答に思わず聞き返す。



嬉しいって言いながら思いっきし泣いてんのに… 言ってる事と逆じゃん。



「…嬉しいの!!!」



『意味解んね-し…』



この時の俺は優衣の涙の
意味が全く解らなかった。



「……。」



『嬉しいって言って泣いてんじゃん。無理しなくていいから…』



- パシッ!!!-



『痛…』



優衣が俺の頬を叩く…
その瞬間、一瞬左の頬に痛みが走った。



「何で解らないの…嬉しくて泣いてるの!!馬鹿、鈍感、嫌い…」



嬉しくて泣いてる.?


その言葉を聞いた瞬間、俺は涙を流す優衣の腕を掴み抱き寄せ強く抱き締めていた。