俺が唯一愛した女



俯く相手に苦笑する俺



「うん!また聞かせてね楽しみにしてるっ♪」



『解った』



「……。」



『……。』



会話の無い空間に耐えきれず、思わずTVのリモコンに手を伸ばす俺。



「ねえ優斗…」



『何?』



突然


ベッドから立ち上がった
優衣は俺に近づいて来る



やっぱ無理…


好きだと自覚してから優衣は女友達じゃなく俺の中でもう女にしか見えない。



「……。」



何だよこの気持ち…正直言って心臓に悪い、家に入れた後で後悔する。



「優斗…」



『な、何だよ!?』



「…お風呂借りていい?」



『は!?』



「…お風呂貸して!!!」



『どう…ぞ』



たかが風呂だけで無邪気に喜ぶ優衣は、俺の気持ちも知らないでそのまま風呂へ…



小さな物音にも
自然と耳を澄ましてしまう。



シャワーの音が響く中、気を紛らす為にワザと音楽を大音量で流した。