「はぁい…」
ドアのノックに対し返事をしたミユは
部屋のドアを開け隙間から顔だけ出す
「優斗ど-したの?」
笑顔で優斗に話しかけるミユ
何顔作ってんの?
何強がってんの?
ミユの目は
赤く腫れていてバレバレなのに
ミユは顔だけ出して
何か隠してる様子…
「あ、優…」
俺は何も言わず何かを隠している
ドアを開けてミユの部屋に入った
「……。」
綺麗に並べてあった
荷物は全部まとめて
段ボールに詰めてある
何もない綺麗な
部屋を見て俺は
『出て行くのか?』
表情1つ変えずミユに問いかけた
「うん」
『そうか…』
ミユに対して
別に引き止める理由なんてない
付き合ってる訳でも
特別な関係でもない
ただの友達だ。
なのに俺が
自由を束縛する権利はない。
自分がしたい様にすればいい
そう思った俺は
ミユに対してそれ以上声をかける事なく
綺麗に詰められた段ボールを見ていた。


