俺が唯一愛した女



「いや~また会えるとは思ってなかったなぁ。何より優斗!お前…こんな可愛い子と同棲までしてたのか…」



シンヤサンは


何やらぶつぶつ1人で喋り出し
暗い雰囲気を漂わせる。



「優斗、ハルサン…大丈夫?」



『変に酔ってるだけだろ。ほっとけほっとけ』



「…うん。あ、あの、ありがとね!」



『え?』



「ちょっと言いたくなっただけ♪」



『……。』



「じゃああたし用事あるから部屋行くね」



そう言って



優しく微笑んだミユは自分の部屋へ



優しく微笑んだ?



いいや、違う。
悲しく笑った顔の間違い



ミユともう1度ちゃんと
話しをしておかないと。



何でかこの時の俺は何となくそう思った



『シンヤサン今日はそろそろ帰って…』



「……。」



『寝てるし…』



いつの間にかソファーで爆睡している
シンヤサンに俺は思わずため息を吐く。



布団をかけてあげてそのままミユの部屋へ



- トントン -



「……。」



返事のないミユ
俺はもう1度だけドアを叩く。



- トントン -



もしかして泣いてる?
微かに鼻をすする音が聞こえた。