俺が唯一愛した女



目を瞑り
俺の前に広がるのは真っ暗な闇だけ



音もなく静かで
痛みも刺された感触も一切ない



物音さえ聞こえないそんな状況に俺は
ゆっくりと目を開ける



「……。」



怯えた表情で黙り込む月…



『……。』



そんな
月のナイフを持った手首を掴むシンヤサン



「なあ月、それはちょっとやり過ぎじゃね?」



「は、ハルサ…いだぁぁぁあ゙ぁあ゙あ゙…」



シンヤサンは力ずくて
月の手首をひねる



激痛のあまりナイフを落とし
声にならない声で叫ぶ月は…



その場に座り込む



『ハルサン…』



「この問題児、何で俺にコイツの事話さなかった?」



『……。』



「なぁ月、お前ホスト以前に人間失格だわ」



「な…」



「お前のやり方は汚すぎる。それにシキに抜かれた理由… お前が一番よく知ってんだろ?」



「……。」



「俺が知った以上、黙ってる訳にはいかねえなー?月、ただで済むと思うな」



今までに聞いた事ない
低い声で話すシンヤサンは



冷たい目で月を睨む..