俺が唯一愛した女



マンションに着いた俺は



マンションの入り口に立ってる男に気付き
思わず立ち上まる。



「よお、優斗遅かったな」



『月…』



「昨夜はよくも俺の顔をこんなにしてくれたなぁ?」



最初誰なのか
解らなかった



月サンの顔は


パンパンに腫れていて
顔に痣が出来ている。



「知ってるかぁ~ホストは顔が命。お前がNo.入り出来たのだって100%顔だけ… その顔切り刻んだらどうなるだろうなぁ?」



そう言って
ポケットの中からナイフを取り出し



ナイフ片手にニヤニヤ笑う
月サンに悪寒を感じる。



『…顔だけじゃねえだろ。接客に必要なモンは目だ』



「は?」



『どこまで相手を見るか。会話を弾ませたいなら相手がどんな子か、何を求めて店に来てるのか解って会話しねえと幾ら顔が良くてもホストは成り立たねえよ』



「うっせぇ!顔だけホストが…解った様な口聞きやがって… 殺してやる…」



月は左手に持ったナイフを
俺にめがけて振り落とす。



『……。』



月が本当に


ナイフを振り下ろすと
思いもしなかった俺は



" 確実に刺される "



避けるのに遅れ強く両目を瞑る