俺が唯一愛した女



彰人の部屋の前に戻って来た俺等…



" さっきの話あきチャンには秘密にしてて "



ミユはそう言って病室のドアを開ける



「あ、おかえり香織…と…」



『小上優斗です』



「優斗か… 香織の知り合いだと気付かずさっきは誰だなんてとか言って悪かったな」



にっこり微笑み頭を下げる彰人



『いえ…』



「香織、そう言えばミユは今日大学?」



「え…う、うん!そうみたい…あきチャン?」



彰人は突然
ヨロヨロとした足取りで立ち上がろうとする



「香織、悪いトイレ…」



「あきチャンずっと寝てたんだからまだ立っちゃ…」



「意識戻ってんのにこんなんで出来るか…いいから!」



「優斗ごめん、先帰っといて…あきチャンのトイレ連れてくし先生と話しがあるから」



『…解った』



「優斗だっけ?俺滅茶苦茶暇してるからまた来てー」



『解った』



彰人に軽く頭を下げ病室を後にした俺は



『腹減った…』



適当に食べ物を買って真っ直ぐ家に帰る