「まぁせっかくだから上がって!」



友梨サンはそう言って穏やかに微笑むと
断り続けていた俺を家に入れてくれた。



友梨サンの住むマンションは
高層マンションの1部屋で…



設備も整っている



「ここは私の家でありお店でもあるのよ」



心地良い匂いが充満する室内



『店?』



「アロマって知ってる?」



『聞いた事はあるけど詳しくは知らないです』



「ここはアロマオイル使ってエステやマッサージをするお店でね。あ、適当に座って頂戴」



『ありがとうございます…』



俺は近くのソファーに座り
紅茶を入れる友梨サンの後ろ姿に話しかける。



『どうして旦那サンと別れたんですか?』



一瞬、紅茶を入れる手が止まった友梨サンは



振り返って俺に微笑みかけると



また紅茶を入れ始めながら
ゆっくりと口を開く…



「何ででしょうね。お互い求め合う物が違い過ぎた…からかしら」



『求め合う物…?』