俺が唯一愛した女



『…っ』



シャンパンを口に含んだ瞬間
俺は味に違和感を感じ顔を歪める



「シキどうかした?」



心配そうに
俺を見つめているリオナ



『いや、リオナが入れてくれたシャンパン凄く美味しくてさ… これは俺が全部飲んで良い?その代わり違うシャンパンご馳走するよ』



「もうシキったらぁ♪シキの為に入れたんだし全部飲んでいいからね!」



これが


シャンパンじゃないって事
リオナは気付いていない。



『ありがとう』



お酢?


俺が飲んだこの液体は
シャンパンと同じ色の何か…



そんな事客に対して口が避けても言えない
下手したら店の信用にも関わる。



『……。』



かと言って
全部飲みきるのは無理。



確実に吐く



「シキってばぁ~?」



ふと


俺を見てニヤニヤする
月サンと目が合った。



『月サン…』



誰の仕業なのか何となく解った



俺に対して嫌がらせかよ
ガキみたいな事しやがって



この日を境に
月サンの低レベルな嫌がらせは続いた。