俺が唯一愛した女



「シキお前…」



病院から直で店に来た俺は



4日間無断欠勤した理由を
優斗サンに話して深く頭を下げる。



「そう言う事ならしゃ-ねぇけど… 出て来てもう体大丈夫なのか?」



『大丈夫、用意してくる…』



用意するのに奥の部屋に入った俺は
久しぶりに自分のロッカーを開けた



その瞬間


鼻につく強い臭いが
俺の嗅覚を刺激する



『臭っ…』



おそらく
ペンキやマネキュア類いの薄め液か何かだろう



透明な液体が
ロッカー中に沢山流し込まれていた。



『何だよこれ…』



しかも


透明な液体は固まっていて
服なんて着れたモンじゃない。



『……。』



ロッカーの事は何も言わずスーツを忘れた事にして
急遽聖夜サンにスーツを借りてその日は仕事をした。



4日間
休んでいた分仕事は大忙し



「リオナ様からシキへシャンパンのプレゼントです~」



「シキ退院祝いだよ♪」



『リオナありがとな、頂きます』



俺はヘルプが持って来た
シャンパンを口に運ぶ。