俺が唯一愛した女



親父が居るって事はここは親父の病院。



「また危ない事をしたそうだな…」



親父は俺に対して大きなため息を吐く



『……。』



「あれ程危ない事はするなって…」



「あ、あの!優斗は襲われてたあたしを助けてくれたんです。だから、その…」



咳払いをした親父は



「暫く絶対安静だからな。ほら、早く腹出せ」



『……。』



そう言いながら
俺の怪我の傷口に薬を塗ってくれた。



「先生って優斗と上の名前同じだなと思ってたけど…優斗のお父サンだったんですね。びっくりしちゃった」



「コイツは親父と思ってないみたいだけどな」



親父の言葉に黙り込むミユ



確かにちょっと前迄は
親父と思ってなかった



だけど今は



『……。』



先に否定されると何も言えねえっての



「あ、ミユチャン櫻井サンの事なんですけ…」



「か、看護士さん!!」



櫻井?


聞き覚えない名前に俺は首を傾げる。



『……。』



「え、えと…また、後日先生の所に伺います!」