俺が唯一愛した女



『ミユ、ビニール袋貸して』



「あ、うん…」



拾い集めたガラスの破片を
俺はビニール袋に入れる。



「ありがと…」



『これくらい対した事ね…』



「ガラスの事もだけどその、助けてくれて…」



俺は震えているミユの手を優しく握り締める



『あんな時間に1人で外出るから狙われる事になるんだよ』



「優斗、シャワー浴びてたから…何か冷たい物でもと思って。本当にごめんなさい…」



俺の為にわざわざコンビニへ?



怒るべきかお礼を言うべきか
すげ-複雑な心境。



『とにかく、これからは夜1人で絶対に出歩くなよ』



「うん…」



- トントン -



ドアを叩く音


俺とミユは話しを止め
無言でドアを見つめる



「…誰か来たのかな?」



『どうぞ』



- ガラッ -



俺の返事と同時に病室のドアが開く



「あ、先生。先日はありがとうございま…」



ミユが丁寧に頭を下げる白衣姿の男を見た俺は



『お、親父…!?』



思わず大声を上げる。