俺が唯一愛した女



「え、えと…と、看護婦サンに聞いた話し!ここの患者サンが植物人間状態なんだって…」



『ふーん…』



俺は


自分の怪我を忘れて
立ち上がろうとする。



「優斗まだ傷口が…」



『花瓶、あのままじゃ不味いだろ』



割れた花瓶のガラスの破片は床に飛び散っていて



「あ、あたしが…」



『いいって俺がやる。危ないし手切ったらどうすんだよ』



「優斗…」



俺は1個ずつ
床に散らばるガラスの破片を拾う



『3日か…』



人間そんなに眠れるんだな。



「…え?」



『何でもねえよ』



3日間


確かに長い夢だった



その夢は
昔の自分の家に居る夢だったり



優衣の家に居て
優衣と少し話す夢だったり



他にも色んな夢を見ていた気がする。



けど思い出せなくて



俺がかろうじで
覚えてた夢はこの2つだけ



幾ら思い出そうと頑張ってみても
それ以外の夢は忘れてしまって


思い出せなかった。