気が遠のいて行く中
『優衣…?』
優衣が目の前に立って居る様な幻覚を見た
「優斗、嫌!死なないで…」
ミユの俺を呼ぶ声も遠くなっていく
『……。』
次自分の中で意識が
ハッキリとした時は
何故か
真っ暗な闇の中に1人で立って居た。
『……。』
とりあえず俺は
真っ暗な暗闇を適当に歩いて
そうしたら薄暗い部屋
見覚えある場所に出た
『俺が昔住んでた家…?』
懐かしさのあまり
家の中を暫く探索した俺は
家の外へ出ようと玄関の扉を開ける。
『……。』
扉を開けた瞬間
俺の
昔住んでいた家は
跡形もなく消えて
今度は
優衣の部屋の前の廊下に立っていた。
幾ら彼女を呼んでも
幾らドアを叩いても
優衣が部屋にこもる様になってからは常に
鍵がかかっていて開く事のなかった扉。
『……。』
俺は何も考えずゆっくり
ドアノブを回してみる…
- ガチャ -
『開いた… 』
部屋中に広がる
俺が心底愛していた女の懐かしい香りが
心地よく鼻につく。
そんな中カーテンを開け
外の景色を見つめていると
優衣の姿があった。


