俺が唯一愛した女



『ミユ行くぞ…』



俺はゆっくり立ち上がり
ミユに右手を差し出す。



わき腹から流れ落ちる血…



「優斗、早く止血しなきゃ動いちゃ駄目…」



『コイツ等の意識が戻ったらどうすんだよ、いいから早くここから出るぞ…』



「……。」



ミユはそれ以上何も言わず
差し出した俺の手を握る…



ミユの体は微かに震えていた。



『裏口から出ようぜ』



「う、うん…」



やべえな
歩けば歩く程頭がクラクラする



「優斗大丈夫!?」



『大丈夫…』



やべえ今度は足が思い通り
動かなくなってきやがった



裏口から店を出た俺達は
近くの公園のベンチに座った。



「えっと…止血する物、止血する物…」



『ミユ…』



「優斗!?」



俺はミユに携帯を渡して
警察へ電話する様に言う



「警察に…?」



『売春行為やってる店なんか…ほっとける訳…ねぇだろ…後、携帯の充電ありが… 』



なんだこの感じ… 体が寒い



目の前に居るミユと
話してたはずなのに



俺、このまま死ぬのか?



意識が遠のく…



「ゆ、優斗ぉ…!!!」